粉石けんと合成洗剤の違いは?実は〇〇の方が洗浄力が高いってホント?

皆さんは粉石けん合成洗剤の違いってご存じですか。
それぞれ色んなイメージがあると思います。
私は、粉石けんに「何となく使うのが難しそう」という勝手なイメージがあり、普段は合成洗剤を手に取ることが多くありました。
また、パッケージには無添加や自然派など魅力的で惹かれるキャッチコピーも多いですが、それだけで”いいもの”と判断していませんか。

洗剤について詳しく知っていたら、今よりもっと慎重に選んでいるかもしれません。
この記事では、粉石けんと合成石けんの違いや見分け方、洗濯手順などをご紹介していきます。
家族の健康や環境を守るためにも、使っている洗剤のことを正しく知って、正しく使用しましょう。

 

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粉石けんと合成洗剤の違いって何?見分け方は

粉末用の洗濯用洗剤は粉石鹸合成洗剤の2つに分かれています。
ここからは、2つの違いについて詳しくご紹介したいと思います。

種類 粉石けん 合成洗剤
由来 牛脂・パーム油・米ぬか
(自然由来)
石油・植物油が原料
主成分 脂肪酸ナトリウム・脂肪酸カリウム

合成界面活性剤
(自然界に存在しないもの)

製造 苛性ソーダ・苛性カリと反応させて製造 複雑な化学合成によって製造
(大規模な製造施設が必要)

粉石けんは牛脂やパーム油など自然由来のもので製造されており、主成分も脂肪酸ナトリウムなどシンプルに作られています。
一方、合成洗剤は石油や植物油を原料とした化学合成からできた洗剤で、高温高圧で化学変化させたものなので自然界には存在しない分子構造をしているのが特徴です。

自然界の物でできている”石けん洗剤”と、そうでない”合成洗剤”の違いは一目瞭然ですね。

購入する時はどこを見たらいいの?

ではこの2つを購入する時はどこを見たらよいのでしょうか。
下記の表では見分け方をまとめています。

【見分け方】

粉石けん
粉石けんはパッケージの品名に「洗濯用石けん」と表記されています。
また品名がない場合も「純石けん分(脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム)」「石けん素地」「カリ石けん素地」といった成分が記載されているのが特徴です。
合成洗剤と比べると表記もシンプルなので、簡単に確認することができます。

合成洗剤
合成洗剤はパッケージ内に「複合石けん」「合成洗剤」と表記されています。
成分表記も複数の化学成分の名前が並んでいるのが特徴です。

私もこれどっちなのと迷う時があります。
見分け方が分かれば、間違えることもありませんね!

 

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メリット・デメリットを比較!実は〇〇の方が洗浄力が高いってホント?

粉石けんと合成洗剤の違いや見分け方は分かりましたが、メリットデメリットも知りたいですよね。
それぞれ比較してみましょう。

粉石けん

■メリット
1.洗浄力が高い
2.肌に優しい
3.柔軟剤なしでもふんわり

■デメリット
1.値段が高い
2.石けんカスが残りやすい
3.使い方にコツがいる

実は、粉石けんは合成洗剤より洗浄力が高い”ってご存じでしたか。
汗や皮脂など洗濯汚れの多くが「酸性」なので、アルカリ性の強い粉石けんは酸性の汚れにピッタリ。

 

更に、原材料がシンプルで自然由来なので肌に優しく柔軟剤を使わなくてもふんわり仕上がるといったメリットもあります。

一方、合成洗剤と比べると値段が高いといったデメリットがあります。
また、水に溶けにくく石けんカスが残りやすいので使用するにはちょっとしたコツが必要とされています。

石けん洗剤は肌に良いのは分かるけど、何となく使いづらいイメージがあります…。

合成洗剤

メリット
1.安くて手に入りやすい
2.使い勝手が良い
3.保存期間が長い

■デメリット
1.肌への刺激が強い
2.人体への悪影響

合成洗剤は、低価格で手軽に購入できます。
また、水に溶けやすく保存期間も長ので、誰でも気軽に使えるといったメリットがあります。
実は私たちが普段使っている洗剤のほとんどが合成洗剤と呼ばれるものなんですよ。
ただ、合成洗剤に含まれている成分は
肌への刺激が強く、長年使用することで人体への悪影響懸念されているといった点がデメリットとして挙げられます。

気軽に手に取ってしまう合成洗剤ですが、デメリットの部分もしっかりと考えていかなければなりません。

環境に優しいのはどっち?使用量に注意しよう

私たちの生活に欠かせない洗剤は、環境問題とも深く関わっていると言われていますが実際にはどうなのでしょう。
皆さんの中にも、なんとなく「合成洗剤=環境に良くない」「石けん洗剤=環境に優しい」といったイメージってありませんか。

確かに合成洗剤はかつて簡単に分解できず、含まれていたリン化合物によって植物やプランクトンを大量発生させる富栄養化や、川で泡が発生する公害が問題となりました。
また、濃度の濃い合成界面活性剤により多くの魚が酸素不になり死んでしまうなど生態系に大きな影響を与えていたのだとか。

しかし、環境汚染が問題となったことで、現在は分解しやすいヤシ油などの植物油脂が使われるようになり、リンを配合しない洗剤に切り替わっています。
更に、下水能力も向上したことから90%の有機物と、界面活性剤の除去ができるようになっているのだそう。
実はエコ洗剤や無添加洗剤、ヤシ洗剤などのオーガニック洗剤と言われている洗剤は全て”合成洗剤”なんですよ。

私は普段ヤシノミ洗剤を使っていますがよく見ると、植物由来の成分100%ではありませんでした!気づかないうちに合成洗剤を使っていることもあるかもしれません。

ただ残念ながら、合成洗剤には現在の下水処理能力を以てしても分解しきれない成分があり、魚への悪影響や、水環境への汚染の原因になっていることに変わりありません。
キャッチコピーにつられて、良いイメージを持ってしまうこともありますが、何が無添加なのか、どんな成分が入っているのかしっかり確かめることが大切です。

一方、石けん洗剤は環境に優しいと言われているように、石けんカスが魚のエサになったり、微生物によって炭酸ガスと水に分解されるため、合成洗剤と比べると環境への負荷は少ないとされています。

人体への影響や環境への負荷の少ない、せっけん洗剤は積極的に使っていきたいですよね!

しかし、合成洗剤と比べると石けん洗剤は”1回の使用量が多い”傾向にあるのだとか。
石けんの分解能力が高くても、量が多ければ結果的に水を汚すことにつながってしまいます。
量が多ければ洗浄力が上がるわけではないので、使いすぎず適量を心がけるようにしましょう。

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粉石鹸の溶け残りを防ぐ!正しい洗濯手順とコツ

肌にも環境にも優しい粉石けんにだんだん興味を持ち始めた方もいるのではないでしょうか。
しかし、粉石けんは通常の洗剤と比べて溶けにくく、石鹸カスが残りやすいので洗濯にはちょっとしたツが必要です。
ここからは粉石けんの溶け残りを防ぐ洗濯手順とコツをご紹介します。

洗濯手順
【①】粉石けんを規定通りに用意する
粉石けんをパッケージに記載されている規定量通りに用意しましょう。
使用量は汚れや衣類の量に合わせて調整するといいですよ。

【②】事前にバケツやボールなどで粉石けんを溶かす
事前に溶かした粉石けんは直接洗濯槽に投入しましょう。

※面倒な方は、「低水位」で水を溜めてから粉石けんを溶かしてもOK。2~3分モコモコと泡が立てば完成です。
約40度のぬるま湯ですると溶けやすくなります。

【③】すすぎは必ず2回
溶け残りを防ぐためにすすぎは必ず2回が◎。
「通常モード」は基本2回に設定されていますが、節水などで1回に設定している方は変更しましょう。

粉石けんは通常の洗剤と比べて溶けにくいので気をつけてみましょう。

【④】洗濯が完了したらすぐに干す
洗濯後、そのまま放置していると臭いの原因になります。終わったらすぐに干すようにしましょう。

ちょっとした手間はありますが、イメージしてたより簡単でした!手順を守りつつ粉石けんを取り入れてみましょう!

★粉石けん特有の泡に魅力を感じている人もいるようです。

↓こちらはシャボン玉石けん(株)が公式チャンネルで紹介している洗濯動画です。
気になった方は是非参考にしてみてください。

ドラム式洗濯機は粉石けんを入れると詰まってしまう可能性があり、基本的におすすめはされていません
しかし、コツなどもあるようなので是非使いたいという方は↓こちらも参考にしてみるといいですよ。

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洗浄力がUPする!?3つのポイント

粉石けんの洗浄効果をUPさせるには3つポイントがあります。
是非実践してみましょう。

1.事前の予洗いが効果的

目立った汚れや汚れのひどい物は、事前に大まかな汚れを取る”予洗い”をしておく事で効率良く汚れを落とすことができます。
基本的には水のみで大丈夫ですが、頑固な汚れ(皮脂、油、泥など)は必要に応じて石けん洗剤を溶かしたお湯につけ置きするといいですよ。
靴下など臭いの付きやすい物も事前に予洗いしておくことで消臭効果も期待できます。

予洗いの経験がある方もいるのではないでしょうか。ひと手間ですが、これだけで半分以上の汚れが落ちてしまうのだとか!

2.洗濯量は80%程度が最適

洗濯物の量は80%程度にしましょう。
洗濯ものを少なめにすることで、洗濯水が良く回り洗浄力もUPします。
また、洗濯物をドサッと入れたくなりますが「大きいものから洗濯機に入れる」のが鉄則です。
これをすることで回転のスムーズさも変わってくるので是非実践してみましょう。

ズボンやバスタオルなど大きなものを多く入れると、混ざりにくくなるので気をつけましょう。

つい洗濯回数を減らしたくて、詰め込んでしまっていました…80%意識したいです。

3.酸素系漂白剤をプラス

酸素系漂白剤をプラスすれば洗浄力もより高まります。
酸素系漂白剤の主成分は過炭酸ナトリウムなので酸素の力消臭除菌汚れを分解してくれます。
また、使用後は炭酸ソーダ、酸素、水だけ残る環境に優しい素材であることも特徴です。

更に塩素系漂白剤より漂白力は穏やかなので、柄物の衣類などにも使用でき安心です。
汚れが気になる場合は、いつもの洗濯に酸素系漂白剤を入れてみましょう。

 

粉末の酸素系漂白剤を使用する場合は、溶け残りの原因となる場合があるのであらかじめ溶かしたものを使うようにしましょう。
また、デリケートな繊維、シルク、ウールなどは使用することができません。
金属にも化学反応を起こす可能性があるので事前に確認しておきましょう。

 

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初心者も安心おすすめ粉石けん


ここからは初心者でも安心して使えるおすすめ粉石けんをご紹介します。
「粉石けんを使いたい」と思っても何を使えばいいのかわからないという方もいますよね。
是非参考にしてみてください。

ミヨシ「そよ風せっけん」

ミヨシは、シャンプーや台所洗剤などあらゆる無添加商品を取り扱っている有名企業です。
その中でも洗濯用石けん”そよ風”は初心者でも扱いやすい商品になっているのだとか。

2.16kg 806円税込み(2022年現在)

そよ風には「炭酸塩(アルカリ助剤)」「金属封鎖剤」が添加されているため、洗浄力の高さはもちろん、石けん洗剤特有の石けんカスが発生しにくいのだそう。
また、この2つが添加されていることで粒子も若干大きく、粉飛びで失敗する心配もありません

更に、石けん特有の油臭さが苦手という方にも、ほんのりフローラルの香りが付いているので安心ですよ。

無添加シャボン玉「スノール」

シャボン玉石けんといえば無添加せっけんの元祖ですよね。
添加物を特に意識している方にはこちらがおすすめです。

1㎏ 814円税込み(2022年現在)

こちらの”スノール”は石けん以外の成分を一切含まない100%無添加の粉せっけんとなっています。
良質な石けんしか使っていないので、洗浄力がとても高く、肌にも環境にも嬉しい洗剤です。
洗濯を躊躇してしまうおしゃれ着にも安心して使用できますよ。

デメリットとしては、添加物を一切使用していないので石けん特有の油臭いにおいがダイレクトに伝わってしまう点があります。

粉石けんにもそれぞれ特徴があるので、自分に合った粉石けんを試してみましょう!

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まとめ

今回は、粉石けんと合成洗剤の違いや見分け方、洗濯手順についてご紹介しました。

まとめ
【粉石けんと合成洗剤の見分け方】
・自然由来の「粉石けん」
・自然界に存在しない「合成洗剤」
・迷ったら成分表を見よう
【メリットとデメリット】
・粉石けんは洗浄力が高い
・環境に優しいのはどっち
【洗濯手順・コツ】
【”洗浄力UP”3つのポイント】
1.予洗いが効果的
2.洗濯量は80%が最適
3.酸素系漂白剤をプラス
【おすすめ粉石けん】
・ミヨシ「そよ風」
・シャボン玉「スノール」

今まで洗剤は「何となく選んでいた」という方も多かったのではないでしょうか。
実際に私もキャッチコピーなど見た目の印象で選んでいたものもあったなと思います。
しかし、家族の健康や環境を守るためにもこれからはパッケージ裏の成分表にも目を向けてみましょう。

また、粉石けんは使うのが難しいイメージでしたが、洗濯方法を知ってしまえばとっても簡単です。
洗浄力も高く、メリットの多い粉石けんを生活の中に是非取り入れてみましょう。

 

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